VPSの使い勝手

最近増えてきているVPSの使い勝手に関して。
VPSは、バーチャル・プライベート・サーバーの略で、仮想サーバーを1つ借りるイメージとなります。

VPS(仮想サーバー)のメリット

VPSの最大のメリットは、root権限が割り当てられ、自分の好きなようにセットアップできるということ。
初期設定にはそれなりの知識は必要ですが、WebminなどのGUIツールなどが最初から導入されていることが多く、ただ使うだけであればサーバーをゼロからセットアップするよりも簡単で、サーバー自体の勉強をするには良い環境だと言えます。

また、大きなメリットの一つとして、IPアドレスが自分専用に割り当て可能であるということ。
共用レンタルサーバーでは、他人と同じIPアドレスのバーチャルホストとして動くため、同一IP上に検索エンジンからペナルティを受けたサイトが存在すると、影響を受ける可能性があります。
(Googleはこの可能性を否定していますが、実際にそのような動きに遭遇したことがあります)

VPSでは、仮想サーバーとして自分用のハードウェアリソースが割り当てられているというのもメリットの一つでしょう。
当然、裏では仮想化ソフトにより共有されているわけですが、CPUはコア単位で割り当てられ、メモリやディスクは自分で使える容量が決められています。

VPS(仮想サーバー)のデメリット

VPSのデメリットは、メリットの裏返しでもあります。
root権限があり自由に使える分、全くサーバーの知識がないと初期設定はかなり苦労するでしょうし、サーバーそのものを壊してしまうこともあります。

リソースで特にデメリットとなりうるのは、メモリです。
割り当てが決められていますので、いくら他のユーザーが使用していなくて物理的なハードとしては空いていても、割り当て分を超えるとスワップを使うしかありません。
Webサーバーとして使うには、最低でも512MB、できれば1GB以上のサービスを選びましょう。
なお、メモリは1GBあっても、組み込むモジュールや最大プロセス数などの設定をしっかりしておかないと、あっという間に使い切ってしまいます。

当然と言えば当然ですが、VPSでもネットワークリソースは共有レンタルサーバーのように他のユーザーと共有します。
帯域を占有するようなサイトと同一物理サーバー上にホスティングされると、ネットワークがボトルネックとなりますので、特にアダルトサイトなどを許容しているVPSサービスは気をつけた方が良いでしょう。

レンタルサーバーとのWeb応答速度比較

個人的興味から、国内レンタルサーバーと国内VPS数社の応答速度を比較してみました。
測定方法は、Xymonというオープンソースの監視ソフトを使い、通常利用しているインターネット回線から、各サーバーに置いたファイルに定期的にアクセスして速度を計測するという単純なものです。
セットアップ方法や他に動いているサイトなどの影響もありますので、単純比較はできませんが、レンタルサーバーでの平均応答速度がVPSでの最大応答速度となるぐらいの差が出ています。
一番速い時は、どちらも2桁msecぐらいなのですが、最大応答速度は、レンタルサーバーでは1から2秒ということもありました。

単純に機能面で見ると初心者向けで簡単に使えるのはレンタルサーバーです。
応答速度の遅さも常にということではないので、許容範囲内でしょう。
サーバーの勉強をしたり、好きなようにサーバー設定を行いたい場合や、少しでも速度が速い方が良いという場合はVPSをお勧めします。

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